日本を連想することばでよく聞く「枯山水」。
京都のお寺にあるような石庭が真っ先にイメージされるかもしれません。
ただ、イメージはついても、ことばで説明しようとすると難しく感じます。
今回は、「枯山水」のあくまで概略を掴んでみたいと思います。
そもそも、枯山水とは、日本庭園の様式を指す言葉。
そこで、日本庭園の種類について、ここでは以下の2種類に絞って見てみます。
■池泉庭園:水を使って、山水を表現(優雅な雰囲気の自然)
つくられた場所/宮廷や貴族の邸宅
■枯山水庭園:水を使わずに、岩や砂などで山水を表現(険しい雰囲気の自然)
つくられた場所/禅寺
枯山水庭園では、岩が山を、砂が大海を、砂紋が波をといった具合に、自然の景観を表現しています。
こうしてみると、アートとして枯山水の庭園を楽しむこともできそうです。
たとえば、水墨画を立体的に表現したものもあります。
水墨画では墨の濃淡により画に遠近感をもたせますが、枯山水においても、遠山石とよばれる石を背景に据えることで奥行や広がりを生む手法がみられます。
やや殺風景に思われる石庭も、アート的側面に注目するとより興味深いかもしれません。
ところで、枯山水がうまれたきっかけは何だったのでしょうか。
答えは意外にも、歴史上有名な戦乱である応仁の乱(1467)なのです。11年続く内乱で京都の池泉庭園は荒廃しました。
そんな中、水を使用せず、少ない費用や土地面積で創り出せるのが枯山水庭園でした。
岩や砂を組み合わせた枯山水の普遍的な美しさは、当時の厳しい環境下で発揮された人々の創造力によってうまれたわけです。
枯山水とは、
“侘びしくも独創的な芸術性の下で、水を用いることなく岩や砂だけで表現された日本庭園”
と、捉えてよいでしょうか。
まだまだ奥深い枯山水の世界。勉強途上です。