明かりとモノの見え方

ふだんの生活に欠かせないもののひとつに“明かり”があります。
太陽などの自然光に加え、蛍光灯やLEDなどの人工光によって、私たちの生活は支えられていますが、
これらの明かりと身の回りのモノの見え方には、深い関係があるように思えます。

現代の照明技術の発展に伴い、様々な明かりの下で私たちは暮らしています。
LEDなどの照明は、光の色が青白く、照度が高いのが特徴です。
コンビニやスーパー、会社オフィスなどが分かりやすい例でしょうか。
一方で、スタイリッシュな飲食店や雑貨店に行くと、
光の色が赤っぽく、薄暗い照明を見かけることもあります。

それでは、照明技術が発達する以前はどうだったのでしょうか。
ざっくり明治時代より前と捉えて、太陽や蝋燭、行燈の明かりという時代です。
今より随分と暗く、陰の多い空間の広がりを想像できます。
博物館や美術館に行くと、古代や近世にいたる各時代の美術品を目にすることができますが、
多くは、薄暗い照明の下で展示されており、その時代の明かりを再現しているかのようです。
それにより、私たちは美術品の本来の価値を体感することができます。

このことから考えるに、
モノにはそれぞれに照らすのにふさわしい明かりがあるように思えます。
少し薄暗い素敵なお店で買ったものが、家の明るい白色電球の下ではどこか違って見える、
なんて経験はないでしょうか。

 

candle-light

 

時には照明を落としてみたり、調光により光を弱くしてみたり、
これまで当たり前に照らされてきた明かりを変えると、
同じモノでも違って見えてくるはずです。

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失われつつあるかつての日本の精神をヒントに、一見だれも気に留めないようなワンシーンを切り取り、既成概念にとらわれない自由なかたちで表現します。

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